スイーツのプロに聞く!喜ばれる「会社へのお土産」銘菓三選

2022年8月13日

長期休暇シーズン、地元へ帰省する人もいれば、国内外のレジャーを楽しむ人もいるでしょう。しかし帰り際に毎年悩んでしまうことがあります。それは、チームや部署などの職場に向け用意するお土産選びです。
今回はコンビニから老舗まで、和洋菓子を今までに1万種類以上食べてきたスイーツ芸人・スイーツなかのさんが、エリアごとに「社内向けのお土産としてオススメするお菓子」の代表例を紹介。なかのさんご自身がお土産選びで重視するポイントや、これまでに経験した「お土産」にまつわる成功&失敗談を伺いました。

北海道:北の景色が浮かぶ六花亭「霜だたみ」

霜だたみ10個入/税込1,360円(画像提供:六花亭)

——今回、なかのさんには北海道・兵庫・東京から3つのお菓子をピックアップしていただきました。まず六花亭の「霜だたみ」はどういった点で「職場へのお土産向き」なのでしょうか?

まず、北海道ってすごく素敵な老舗がたくさんあって、お土産を買う時にすごく悩みますよね。その中でも六花亭は北海道の有名なお菓子屋さんですが、六花亭には「大平原」やこの「霜だたみ」のように、北海道の情景を彷彿とさせる名前のついたお菓子がたくさんあるんです。ご当地感のあふれるお菓子が揃っているからこそ、「お土産話」にも花が咲きます。

また、話題のタネはそれだけじゃありません。六花亭といえば「マルセイバターサンド」が全国的にも有名ですよね。だからこそ「六花亭ってこういうお菓子も出しているのか!」と会話も広がります。僕自身も、まずは「六花亭はバターサンドだけじゃないんだ」ということをご紹介したくて、今回は「霜だたみ」を選びました。

——普段は社内であまり接点のない人とも、コミュニケーションが生まれるチャンスになりそうです。ちなみにチョコレートパイの生地に挟まれているのは何のクリームですか?

モカホワイトチョコクリームになります。実はこういうサンド系のお菓子って、近年では若い世代から人気なんですよね。上司が社内の部下たちへ渡すお土産としても、こういったサンド系のお菓子はぴったりでは、と思います。年齢層が若めの企業である場合は、特にオススメしたいです。

兵庫:ひと味違ったお饅頭を。高山堂「スウィートまーめいど」

スウィートまーめいど 20個入/税込3,240円(画像提供:高山堂)

——高山堂の「スウィートまーめいど」は兵庫に本店がありつつ、新大阪駅でも購入できるのですね。

そうなんです。関西地方へ旅行や出張に出かける時はチェックいただきたい逸品ですね。高山堂といえば「生きんつば」もおいしいのですが、今回は大人数に配れるよう「スウィートまーめいど」を選びました。兵庫県西宮にある港・西宮ヨットハーバーのイラストが印象的なパッケージです。ちなみにお菓子の表面をよく見ると、一本の筋が入っていますよね。これは海の水平線をモチーフにしたデザインなのだとか。

——ここでも話に華が咲きそうな要素がありましたね。味への想像力も掻き立てられます。

バター感が強く、それでいて白あんの甘みをしっかり感じられるので、イメージとしては「洋風のお饅頭」でしょうか。あんこが苦手な人って結構多いですが、「スウィートまーめいど」ならそこまで「あんこ感」もないので、より多くの人が食べられそうです。

また濃厚な味わいだからこそ、1個食べるだけで満足度が高いのは重要です。とにかく印象に残りやすいんですよね。先ほどの「霜だたみ」が若者向けだとすれば、「スウィートまーめいど」のようなお菓子は年齢層がやや高めの職場や、年配の上司にウケがいいと思います。

東京:出張の手土産にも。銀座ウエスト「リーフパイ」

DL-D(リーフパイ22枚入)/税込3,240円(画像提供:銀座ウエスト)
※2022年8月時点の価格。2022年9月1日より税込3,456円に価格改定の予定

——銀座ウエストの「リーフパイ」といえば、都内でもポピュラーな手土産の一つですよね。

70年以上の歴史があり、都内の百貨店でも名前を見る機会が多い銀座ウエスト。確かに「定番中の定番」といえる商品ですよね。ですが、基本的には東京近郊でしか売っていないので、東京以外の地域にお住いの人に手土産として渡すと、喜んでくださることが多いんです。だから僕も東京からの手土産として「リーフパイ」を購入する機会は結構あります。どんな立場の相手にでも渡せる、品のあるパッケージも素敵です。

——でも、リーフパイって他のお菓子屋さんでも製造していますよね。なかのさんが銀座ウエストの「リーフパイ」をお土産として選ぶ理由は?

確かに、リーフパイを作っているお菓子屋さんは全国的に多いです。でも個人的にはウエストの「リーフパイ」がやっぱりおいしいなと思います。銀座ウエストの「リーフパイ」は、256層もの生地を織り畳むことで生まれるサクサクした食感と、ザラメのバランスが絶妙なんですよね。総合的に「食べごたえがいい」と僕は思います。

定番のお菓子が定番たる所以って、何度も食べたくなるところだと思うんです。「うわ!なんだこれは!」という驚きのあるような派手なお菓子も好き。でも、シンプルながらも食べるたびに「うまいな〜」と味を噛み締められるようなお菓子こそが、お土産に喜ばれる「銘菓」だ、とも思うんです。「リーフパイ」は社内に限らず、遠方の取引先への手土産にもオススメできる商品だと思います。

「貰って嬉しい」を叶えるお土産を選ぶポイント

——なかのさんが大人数向けのお土産としてお菓子を選ぶ時、気をつけていることはなんですか?

大前提として小分けになっているということ。そのうえで、ある程度のボリューム感があるものを選ぶようにしています。やっぱり大きいお菓子や重量感のあるお菓子って、受け取った時に嬉しいじゃないですか(笑)。その「なんか嬉しい」っていう喜びがあるかどうかは、お土産を選ぶうえで結構大事だと思います。今回チョイスした高山堂の「スウィートまーめいど」もずっしりとしたボリュームがあるし、食べた時のインパクトが強いと思います。

——逆に「会社に配るお土産」としては不向きだな、と感じるお菓子は?

みなさんがその場で食べてくれるといいのですが、会社へのお土産を「帰ってから食べよう」とカバンに入れて自宅に持ち帰る人もいると思うんです。あと、自分とは入れ違いで長期休暇を取っていたり出張中だったり、という理由からお土産をすぐ受け取れない人もいるはず。だから、紙などで簡単に包んであるようなお菓子や、冷蔵系のお菓子、日持ちしないお菓子は、大人数に配るシーンでは避けたほうがいいかもしれません。

——相手のペースで食べられるようなお菓子が好ましいのですね。ちなみに、なかのさんご自身は、旅行や出張のお土産をどのように選んでいるのでしょう?

僕は事前にネットで調べ、ある程度の目星をつけてからお土産を買うことが多いです。せっかく旅先で購入するからこそ、お取り寄せができない商品を意識的にチョイスしています。空港や駅に目当てのお店が入っているなら帰り際に買いますし、そうじゃなければ店舗の場所を確認し「お土産を買う」というミッションを旅程に組み込みますね(笑)。

何より重視しているのは、六花亭の「霜だたみ」や銀座ウエストの「リーフパイ」のように、その土地だからこそ出会えるお菓子であること。今回ご紹介した3品も、すべて地域に根づいた老舗のお菓子。人にお土産として贈るスイーツを選ぶ時はいつも、そうやって「その土地ならでは」の商品を選ぶようにしています。

「みんなで食べる」シーンを考えながら選ぶ楽しさ

——これまでになかのさんがセレクトしたなかで「大成功!」と感じたお土産はありますか?

大人数向けのお土産ではなく、むしろ個人への手土産となってしまうのですが……、ラジオ番組で稲垣吾郎さんに紹介したお菓子は成功だったなと思います。稲垣さんってあまり甘いものを召し上がらないらしいんですよ。でも当時甘いものに興味を持ったそうで「お菓子の魅力を番組で語ってほしい」というお話をいただいて。ワインがお好き、と聞いていたので、お酒に合うお菓子をいくつかリスト化し、wagashi asobiの「ドライフルーツの羊羹」を持っていきました。

「パンに合う和菓子」というテーマから生まれた羊羹なのですが、クリームチーズと一緒にバケットにのせて食べるとすごくおいしいんです。稲垣さんにそれを食べてもらったら、飛び跳ねるくらい喜んでくれて。その後、プライベートでも買っていただけたとか。「ああ、良かった。めっちゃうまくいった!」って思いました。

——お土産の贈る相手の好みを事前にリサーチしたうえで、的中すると嬉しいですね!逆に、お土産選びで失敗したことは?

みんなで後輩の誕生日を祝うことになり、誕生日ケーキの用意を一任されたことがあったんです。後輩はタルトが好き、ということは知っていて、季節的に夏だったこともあり桃のタルトを持っていきました。そしたら、後輩がなんと桃アレルギーだったんですよね。それだと食べられないので、本当に申し訳なかったです。

——社内の大人数に渡すお土産で考えだすとキリがないかもしれませんが、コミュニケーションを密に取る相手のアレルギーや好き嫌いは、日頃から把握しておけると理想ですね……。

そうですね。さらに、ビジネスシーンでは贈り物でもTPOをわきまえることも大切になってきます。

ただ、そもそもお土産選びってそこまで頭を抱えるべきものではないんです。一人暮らしの僕が言うのもなんですが、お菓子ってみんなでシェアして食べるのが一番楽しいんですよね。たとえば羊羹も、その場で切ってお茶を淹れ、みんなで食べることに醍醐味があると思います。

会社へのお土産も「みんなで食べる」ということを考えながら選べば、自然と喜ばれるお菓子をチョイスできるはず。「これおもしろいね」とか「このパッケージかわいいね」って語れるようなもの、という観点で選んでみるといいと思いますよ。あんまり深く考えず、純粋に自分が「おいしそうだな」と思うものを選ぶのがベストだと思います。

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ライター / エディター飯嶋藍子

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