芸人バービーの夫が語る、芸能人と会社員の結婚生活が上手くいく理由。インスタDMがきっかけで結婚。

2024年11月22日

2021年4月、芸人バービーさんと結婚したつーたんさん。彼は一般企業に勤める普通のサラリーマンです。2024年8月には第一子が誕生しました。

つーたんさんは会社員としてはたらきながら、バービーさんとの生活や育児についてのエッセイを連載中。そのユニークな内容が大きな反響を呼んでいます。

今回はつーたんさんに、仕事・夫婦関係・育児への向き合い方について聞きました。対極にある二人が、良好な関係を築くためのヒントとは。

石橋を叩く安定思考の会社員と、アグレッシブに猪突猛進する女芸人の結婚

──つーたんさんのこれまでのご経歴を教えてください。

大学卒業後、新卒で金融業界に入りました。その後は転職をして、現在は、教育関係の会社員をしながらWebメディアでエッセイを執筆しています。本当に、ごくごく普通のサラリーマンです。

──どのようなきっかけでバービーさんと知り合ったんですか?

今思えば怖いもの知らずなんですが……(笑)もともと根拠もなく、話が合いそうだなぁと感じていて、いつか話してみたいと思っていました。それである日、InstagramのDMを送ってみることにしたんです。

その後、奇跡的に返信が来て会うことになり、しばらくの友だち期間を経てお付き合いすることになりました。約2年の交際を経て結婚し、3年になります。

──そんな馴れ初めがあったんですね。芸能人と夫婦になることで「自分の生活が変わってしまうのでは」などの不安はありませんでしたか?

たしかに、芸能人は華やかそうで、一般人とはかけ離れたイメージを持たれがちです。でも、ぼくは結婚前に妻と一緒に生活する中で、特別な印象を抱かなかったんです。彼女はいつでも誰にでもフラットに接するので。

妻は人目を気にせず、ありのままの姿でどこへでも出かけて行きます。外食や旅行のときもマスクや帽子もなし。そこまで吹っ切れてくれていると、こちらが気にしているのがおかしくなるほどです(笑)。

──まったく違うお仕事のお二人ですが、はたらき方にギャップなどはありましたか?

夫婦のはたらき方は真逆ですね。ぼくはいわゆる、カレンダー通りの勤務スケジュールです。月曜日から金曜日まで、決まったオフィスに出勤します。一方で妻は、はたらく場所も時間も不規則。

妻はぼくのはたらき方を見て、「毎日同じ場所へ同じ時間に行くなんて無理」だと話しています。ぼくも芸能界ではたらくのは無理ですね(笑)。

あとは、性格も真逆ですよ。ぼくは安定志向で慎重派、石橋を叩いて渡りたいタイプ。妻は興味のあることや、叶えたいことについてアグレッシブで、想いが自然と行動に移るタイプです。

──それぞれはたらき方が違う中で、意識されていることはありますか?

ワークライフバランスはかなり意識していますね。ぼくの場合は、妻と食事に行く日は、職場で使っている共有のカレンダーツールに「定時で帰ります」と入力しています。

妻もオンとオフのメリハリをしっかりつけて、どちらも大切にして生きているように見えます。やりたいことには突き進んでいくスタンスが公私ともに貫かれているというか。

仕事に全力で打ち込む一方で、休むと決めたら休むことにも全力。旅行は計画段階から真剣だし、飲みに行くときはしっかり朝まで飲む日もあります。

ヌード撮影にもチャレンジ!芸人の夫として見た新たな世界

──バービーさんとの結婚を通じて、エッセイの執筆や取材対応など、特別な体験をすることが多くあるかと思います。どのような想いで取り組んでいるのでしょうか。

大切な人が楽しんで取り組んでいることは応援したいし、大切な人が喜ぶなら協力したい。そうした気持ちで飛び込めば、自分にとっても良い刺激があると感じています。

ただ、結婚発表の時、初めて二人で写真を撮ってもらったのですが、多種多様なポーズ指定の中に、なんとヌードがあったんです。それはさすがに気乗りしませんでしたね。「なんでヌード?」って(笑)。

でも、やってみると意外と楽しかったりして。妻といると、遊びと仕事が交わっているように感じる光景をよく目の当たりにします。仕事仲間の皆さんもすごく真剣にはたらきつつも常に前向きで楽しそうなんです。ポジティブさが伝染しているというか。本来は仕事ってそういうものだよなと、良い刺激をもらっています。

毎日オフィスではたらいていると、自分の仕事がどう社会に影響するのかが見えづらいんです。でも、妻といると、目の前にある仕事の種類が違うだけで、ぼく自身も社会を動かしているのは同じなんだと感じられます。本業へのモチベーションも上がりました。

──楽しくバービーさんに巻き込まれていっているんですね。

そうですね。でもその根底には、「芸人バービーのプラスになるなら」という想いがあります。そのためなら、ヌードにもなりますよ!

ぼくが初めて執筆したのは、妻の書いたエッセイに対するアンサーエッセイでした。妻の文章にはさまざまな想いが書かれてはいたものの、ぼくにはそのエッセイに表れていない妻の愛や優しさがまだまだあると思えて。その部分を世間の人にも知ってもらいたい、というのが原動力になりました。

自分の行動で妻にプラスに作用することが一つでもあるなら、何事にもやる価値はあると思っています。

──バービーさんへの深い愛情を感じます。

もちろん、かーたん(バービー)に背中を押してもらったのもありますよ。もともと文章はまったく書いたことがなかったけれど、妻は以前から「つーたんの文章を世に出すことで、きっとつーたんの人生がおもしろくなるよ」と言ってくれていたので。

妻のおかげで、やったことがないことや、やりたくなかったことでも、チャレンジしてみて社会と触れ合うことで、素晴らしいかたちになるものってあるんだなと気付きました。

対極の二人がうまくやるコツは、フィットする距離感を探り続けること

──結婚やお子さまの誕生を機に変わった、仕事観や価値観はありますか?

「家族と健やかに生活する責任」がより一層強まりました。少し前まで、結婚したら仕事をがむしゃらにがんばるべきという風潮がありましたよね。子どもをもつとなると、それも間違いではないと思います。

でも、大切な人と幸せでいるためには、自分自身が折れてしまわないように、仕事と私生活のボーダーラインを設けておくことも大切だと思っています。ぼくも妻も、それぞれの楽しみを忘れずにいられる健やかなはたらき方をしたいですし、子どもにも自分の人生を楽しんでほしいですね。

──両親がはたらく姿を子どもに見せたいですか?

世の中のいろいろな景色を見せてあげたいな、と。妻が芸人だからといって、あえてエンタメだけに触れさせるとかではなくて、世界は広くてさまざまな人やものが溢れていることを伝えたい。

──身を置く環境も個性もまったく違う者同士がともに過ごすには何が必要ですか?

お互いが居心地の良い距離感を探し続けることです。ギュッと近くで寄り添う、少し離れたところから見守る……。タイミングによってちょうど良い距離は変わるはず。そのときどきに合わせて、ベストポジションを見つけるのが大事だと思います。

職場でも家庭でも、ガラッと何かが変われば気付けることも、わずかな変化では分かりにくい。そのまま進み続けるとお互いがまったく別の方を向いていた……、ということはよくあると思うので、コミュニケーションを取り続けることが肝ですね。

──ちなみに、具体的なコミュニケーションのコツはありますか?

境遇や価値観が違う人との生活を、いきなり明日からお互いの理想の生活に切り替えるのはまず無理だと思います。小さなすり合わせを繰り返すのが良いんじゃないでしょうか。

──小さなすり合わせ?

「朝食を和食から洋食に変えてみよう」とか、「毎朝家で食事をしていたけれど、週に一回は一緒に外食してから出勤してみよう」とか。そういった小さなことです。

ちょっとした変化によって、意外といろいろなことが好転すると思っていて。公私ともに、一緒に過ごす人は何がうれしくて何が嫌なのか、知ることが大切ですね。

それぞれが価値観を無理に変えるのではなく、共有し合うイメージ。言語化が難しいことだと思いますが、そこを怠らずに相手と向き合うことで、明日がもっと楽しくなると思います。

いち社会人として、自分の人生も、夫婦関係も、育児も、すべてをあきらめずに楽しみたいですね。稀にぼくも登場している妻のYouTube『バービーちゃんねる』も覗いてもらえるとうれしいです。

(文:徳山チカ 編集:おのまり 写真提供:つーたん)

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ライター / 編集者徳山チカ
1991年大阪府生まれ。2児の母。ウェディングプランナー、住宅営業、スパイスカレー屋のパートを経て、フリーランスライターに。主にキャリアや生き方にまつわる記事の取材、執筆、編集を行う。音楽ライブ、ラジオ、スパイスカレー、ハイボールが心のオアシス。

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