佐久間宣行が発掘。爆発的ブレイク中の元AKBタレント「福留光帆」とは何者か。

2024年10月16日

スタジオパーソルが運営するYouTubeでは、さまざまなはたらく人の履歴書から「私らしいはたらき方」について深堀りインタビューを行っています。

今回密着したのは、AKB48を卒業後、一度は芸能界から離れかけた福留光帆さん。「佐久間宣行のNOBROCK TV」への出演をきっかけに「大喜利の天才」として注目を集め、現在は再び芸能界で活躍しています。その裏には、挫折や葛藤、そして覚悟と挑戦の道のりがありました。福留さんの歩みから、自分らしくはたらくことの意味について考えます。

※本記事はYouTube『スタジオパーソル』の動画一部を抜粋・編集してお届けします

憧れて飛び込んだ芸能の道。しかし現実は「もう無理」

幼いころから、福留さんの心には「普通」とは違う何かを求める気持ちがありました。小学生の時、芦田愛菜さん主演のテレビドラマを見て、演技の世界に憧れを抱きます。

福留さんは当時のことを「家でよく、妹と一緒にアイドルごっこをしていました」と笑顔で振り返ります。しかし、子役オーディションの現実は厳しく、書類審査すらも通らない日々が続いたそうです。

高校3年生でついにAKB48のオーディションに合格。当時の心境について、福留さんはこう語ります。

「『何か人と違ったことをしたい』っていうのは昔から思っていて。誰かの生き方を否定するわけじゃないんですけど、私は、普通に就職するのは嫌だなって思ってました」

念願叶って掴み取ったAKB48でしたが、これもまた現実は厳しいものでした。選抜メンバーには選ばれず、コロナ禍で活動が制限される中、18歳になった福留さんは焦りを感じ始めます。

「私はもう高校生でもない18歳で、ここから自分にフォーカスが当てられるわけない」

2021年5月に初めてコンサートにフル出演するチャンスが訪れるも、ダンスの練習についていけず、一部出演に降格。

「もう私、ここは伸びしろないわって思って。歳も取ったし、別に秀でているものがあるわけでもないから、もう無理だって」

2022年7月、福留さんはおよそ3年間所属したAKB48を卒業します。

「あのときに頑張れていたら、きっともっと変わってた未来があるんだろうなって今でも思ったりしますね。あのときに頑張りきれなかったのはめっちゃ後悔してます」

AKBを辞めて「ガチニート」に。人生を変えたターニングポイントは?

AKB48を卒業後、福留さんは事務所に所属しながらも、3カ月ほど「ガチのニート」生活を送ります。

「学校帰りの妹にご飯作ってもらって……。マジ、クズでした」

その後、スマートフォンの修理店やカフェ、パチンコ店でのアルバイトを経験しますが、どれも長くは続きません。ついには芸能も事務所も辞めて真面目にはたらこうと、医療秘書の専門学校への進学を検討していた最中、福留さんのもとに舞台出演のオファーが届きます。

母親の「学校なんていつでも行ける。お芝居は昔からやりたかったことじゃないの?」という言葉に背中を押され、福留さんは舞台に立つことを決意。この舞台での経験が、福留さんのその後の人生を大きく変えることになりました。

「千秋楽の日にスタンディングオベーションを見て、『うわー、これもうちょっと頑張りたいわ』と思って。翌月にはもう上京してました」

しかし、上京後、福留さんは再び芸能界の厳しい現実に直面します。

「今まではAKBっていう看板のおかげで全部できてたわけじゃないですか。でも1人になった今、自分には何もない。グループもいないし、1人の限界を知ったというか。AKBのときは受身でもグループとしてのお仕事があったからよかったけど、1人になったときって、何もないわけですよ、自分に」

この苦境を打開するため、福留さんはグラビアにも挑戦します。

「ただのアイドル辞めたやつが芸能界にすがってるだけだ、みたいに思われたくなくて。やれることはなんでもやろう、知ってもらえる入口になることはなんでもやろうって」

結果、この決断が運命の出会いをもたらすことになるのです。グラビアの面談で出会った渡辺マネジャーが、福留さんの才能を見いだし、福留さんは一気にブレイクへの道を駆け上がっていきます。

「今のマネジャーさんが、すごく面白いって思ってくれたみたいで。だから私のターニングポイントっていうと、今のマネジャーさんと出会ったことかも。もう、彼のおかげなんですよ」

「大喜利の天才」という肩書きが教えてくれた、仕事で大切なこと

渡辺マネジャーの地道な営業活動が掴んだ「佐久間宣行のNOBROCK TV」への出演は、福留さんのキャリアを一変させました。佐久間さんが、福留さんの隠れた才能を見抜き、番組で大きく取り上げたのです。

この才能発掘は予想外の反響を呼び、福留さんは一躍「大喜利の天才」として注目を集めることになりました。

「反響なんて言葉で片付けていいのか分かんないくらいにすごかったですね」と福留さん。ボートレース関連の仕事も増え、活動の幅は一気に広がりました。

その一方で、福留さんの心の中では葛藤が渦巻いていました。

「毎回『大喜利の天才』みたいに言われるのがしんどくて。どこへ行くにも『新生大喜利タレント』とか『大喜利が話題の元アイドル』みたいな、そういうキャッチフレーズがつくのが結構つらくて」

高校3年生のころから好きだったというボートレースの仕事でも、時には「にわかギャンブラー」とささやかれ、福留さんの心は揺れ動きます。

「情緒不安定なんで、自信がめっちゃあるときとないときを常に行き来しています。天使と悪魔が常についてるみたいな感じかも」

福留さんは、自信のなさや否定的な感情と一体どのように向き合っているのでしょうか。つらいときの対処法について、福留さんは率直にこう答えます。

「泣く。ひたすら泣く。泣いて泣きまくって、地に落ちたらもうあとは上がってくだけなんで、地に落ちるようにしてます」

そんな葛藤を抱えながらも、福留さんは前を向くことをやめません。

「やっぱり一度いろんな人に見てもらえれば、その期待に応え続けることも大事じゃないですか。なんかぽっと出で終わりたくないなって」

福留さんの表情には、不安と同時に、挑戦への覚悟が垣間見えました。この葛藤と成長の過程こそが、今後の新たなキャリアをかたちづくっていくのかもしれません。

福留光帆が本音で語る、「自分らしいはたらき方」の答えとは?

AKB48での挫折、ニート生活、そして予期せぬブレイク。福留さんの波乱に富んだこれまでの道のりからは、自分に合った場所を探し続けてキャリアを切り開くことの大切さをあらためて考えさせられます。

「環境を変えるって、やっぱり自分のポテンシャルも引き出してくれたりするのかなって思います。場所が変わればこんなにいろんな人に知ってもらえるので、すごく環境は大事なんだなって」

さらに福留さんは、はたらくことの意味を、自分以外の誰かのために尽くすことだと見いだしました。両親、妹、マネジャーへの感謝の気持ちが、仕事のモチベーションになっているそうです。

「自分自身のためだけで考えると、絶対、こんな不安定で心の安定もあまり得られないような仕事すぐ辞めちゃうかも」

最後に、福留さんははたらく人へのアドバイスとして、逃げることの大切さについても語ってくれました。

「私は人間関係がうまくいかないときはひたすら逃げたんで、逃げることは絶対大事だと思います。周りの人への感謝だけは忘れずに、自分の気持ちを一番大事に。大事にしてくれる人を大事にすれば絶対なるようになる。笑って生きてくれてるといいな」

※今回お伝えし切れなかったフルバージョンの動画はYouTube『スタジオパーソル』にて公開中

(文:間宮まさかず)

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ライター/作家間宮まさかず
1986年生まれ、2児の父、京都在住のライター・作家。同志社大学文学部卒。家族時間を大切にするため、脱サラしてフリーランスになる。最近の趣味は朝抹茶、娘とXGの推し活、息子と銭湯めぐり。
著書/しあわせな家族時間のための「親子の書く習慣」(Kindle新着24部門1位)

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