3歳児ママの私に、コンビニの夜勤バイトが最高すぎた理由。寝かしつけ後、深夜24時から出勤。

2024年12月23日

スタジオパーソル編集部が、世に発信されているさまざまな個人のはたらき方ストーリーの中から、気になる記事をピックアップ。
こちらの記事では、夜中のコンビニでアルバイトを続けながら、自分のベストなはたらき方を模索する、とあるママのエピソードをご紹介します。

※本記事の引用部分は、ご本人承諾のもと、投稿記事「ママの私が「夜中のコンビニ」でアルバイトをする理由。」から抜粋したものです。

残高7,880円の衝撃。底をつきかけた預金通帳を見て、夜中のコンビニバイトを始める

もよさんは週に2回、夜中のコンビニでアルバイトをしている、小さなお子さんを育てるママ。寝かしつけのあと、日付が変わる直前の23時45分、一人自転車をこいでアルバイト先へと向かいます。

21時に息子と一緒に寝て、23時に起きてコーヒーを飲んで、23時45分に家を出て自転車をこぎ、0時から7時まで働く。
なんだかんだで1年ちょっと、そのアルバイトを続けている。

ママの私が「夜中のコンビニ」でアルバイトをする理由。 より

もよさんが夜中のバイトを始めたきっかけは、一家の蓄えが底をつきかけたこと。

出産を機にそれまで続けていた仕事を辞める時、子どもがある程度大きくなるまでは預金を切り崩しつつ、何とかやりくりを、と考えていました。

しかし、通帳の残高を示す欄に7,880円の数字を見た時、思わず目を疑ったと言います。

旦那さんの給料だけで生活するとなると、毎月貯金を切りくずすことになる。でも子供が幼稚園に入るまではなんとかやっていけそうだよね。貯金は減っちゃうけど、子供と過ごせるのは今しかないし、そっちの方が大事な気がする。子供が幼稚園に入ったら働きはじめて、また貯金していこう!そうしよう!
そんな感じで、ざっくりお金のシュミレーションをしたときは大丈夫なはずだった。
いや、一応大丈夫だったのかもしれない。来月から息子は幼稚園に入園するのだから、ちょっとギリギリすぎるけれど、一応なんとか乗り切ったとは言える。

ママの私が「夜中のコンビニ」でアルバイトをする理由。 より

子どもの手が離れ始め、いよいよ入園目前。「できた時間で、またはたらける!」そう意気込んでいた矢先、コロナ禍で状況は一変します。

なんと、入園時期が無期限延期に……。一刻の猶予もない中、焦るもよさんの目に飛び込んだのが、コンビニでの夜勤バイトの求人だったのです。

その後、週2勤務で月7万の収入を得て、なんとかピンチを乗り切ったもよさん一家。預金ほぼ「0」の衝撃が、お金と向き合うきっかけになったそう。

夜中のコンビニバイトは、「省エネ」がかなう最高のバイトだった

お金のために仕方なく始めたバイト。一時期の家計的危機を脱したにもかかわらず、もよさんはその後も変わらずバイトを続けました。

眠い身体を起こして夜中にはたらく……。体力的にも精神的にもハードに感じるものの、もよさんはバイトを続ける中であることを発見したと言います。それは、夜中のコンビニバイトは、ママである自分にとって「とても便利なはたらき方」ということ。

息子が熱を出したとき、職場に連絡して自分の代わりを見つけたりすることもなく、一緒にお家でグーグー寝られる。
幼稚園が嫌いな息子が、どうしても幼稚園を休みたい日に休ませてあげられる。
朝のグズグズに、のんびり付き合ってあげられる。
「時間に追われること」「焦らされること」に対して、異様にストレスを感じてイライラしてしまう私にとっては、なおさらありがたいアルバイトだ。

ママの私が「夜中のコンビニ」でアルバイトをする理由。 より

真夜中のコンビニ。自分以外に人がほぼいない環境で、ゆっくりと過ぎる仕事時間は、大きなやりがいこそないけれど、何のストレスもないそう。「省エネ」で稼げる方法に、もよさんは心地良さを感じていました。

周りの声に惑わされない。自分にとってのベストを探し続ければ、道は次第に拓けていく

心身のストレスもなく、合理的に生活費を稼ぎ続けるもよさん。一方で、その心の内には消えることのない「ある想い」が残っていました。

私のお腹の奥の方では熱い熱い何かが燃えている。
その情熱をお金にする方法はまだわからないし、まだまだ手のかかる息子のそばで、それに熱中できる時間や、それを全力でやるための十分なお金も今はない。なんせこの間まで一文なしに近かったのだ。
でもできることからコツコツやっていきたい。挑戦したい。

ママの私が「夜中のコンビニ」でアルバイトをする理由。 より

「挑戦したいこと」があると語るもよさん。出産してからの数年は、一歩踏み出そうとする自分と、子どもとの時間を全力で楽しみたいと感じる自分、いくつもの私とバランスを取りながら過ごしてきたそう。

自分にとってのベストな在り方・はたらき方を模索しながら過ごす中では、時に周りからの声に心揺れる瞬間もあったと言います。

いい大学を出て、そのあと専門学校にまで行ってwebデザインを学んだり、そのあとヨガを学んだり、興味のおもむくままにいろんなことをパワフルにやってきた私を知っている人たちに、子育てをしながら夜中のコンビニでアルバイトをしていると話すと、心配されたり、びっくりされたりする。
「気の毒に」というような目を向けられることもあって、そんな時、自分をちょっとでもかっこよく見せたいという気持ちがうずくことだってある。

ママの私が「夜中のコンビニ」でアルバイトをする理由。 より

他者からの評価に心がざわつく一方で、夜中のバイトをしながら、昼間は子どもに全力で向き合うこのバランスが、今の最善なのだともよさんは語ります。

もしすごく勇気のある人だったら、アルバイトをやめて、やりたいことに全力を注いだりするのかもしれない。
でも私は怖がりで、この絶妙なバランスを壊す勇気がなくて、まだまだ夜中のアルバイトをやめられそうにない。
でもきっと放っておいても、気づかないくらいにゆっくりと、そのバランスは変化していくんだろう。

ママの私が「夜中のコンビニ」でアルバイトをする理由。 より

「絶妙なバランス」とは、一日一日を納得して過ごすために大切な、自分なりの価値観。人に教えられるものではなく、自分で見つけていくほかないのかもしれません。

また、バランスの取り方はきっと状況によって変化すると、もよさんは語ります。

子どもとの時間をめいっぱい楽しむ自分。
新しいことへ挑戦しようと行動する自分。
自分のなかで占めるその割合もまた、人生のフェーズによって変わっていくのでしょう。

かつて、自分のことで精一杯で、自分の夢や目標を実現することが何よりの幸せだと疑わなかったもよさんは今、焦ることなく、自分自身の心地良さを大切にしながら、ベストな在り方を模索しています。

どうなるかわからない未来を、面白がって、生きていこう

もよさんは子どもを持つ前、夜中のコンビニでアルバイトをする自分を想像することはありませんでした。

同じく、数年先の自分が何をしているかも分からないと言います。

5年後、10年後、私はどんなバランスでどんな日々を過ごしているんだろう。
まだ夜中のコンビニでアルバイトをしているかもしれないし、今は想像もできないような生活をしている可能性だってある。
でもその「わからなさ」がおもしろい。
人生って本当におもしろいなって思うのだ。

ママの私が「夜中のコンビニ」でアルバイトをする理由。 より

未来は誰にもわかりません。その時に何をどう感じるかも、その瞬間に立ち会わない限り理解できないのでしょう。

それは不安でもあり、楽しみでもある。ならば面白がって生きていきたい。

もよさんの姿からは、自分の心地良さを起点に、「その時々の最善」を探しながら歩む人生の豊かさを教えてもらいました。

<ご紹介した記事>
ママの私が「夜中のコンビニ」でアルバイトをする理由。

【プロフィール】
もよ
セラピスト&ひとりっ子ママ。大阪府箕面市にある、整体×整心お家サロン「pono-me」にて、健康な「からだづくり」と「こころづくり」のサポートを行う。読むこと、書くこと、猫とスパイスカレーが好き。

(文・ながたせいこ)

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ライター/編集者永田盛香
1984年滋賀県出身。元新聞社系出版社勤務。ライター、インタビュアー、編集者として活動のかたわら、子ども向けの表現教室運営も行う。「気持ちの言語化を通し、自己理解を深めるお手伝いをする」をテーマに、人の話を聴きながら想いのコアな部分に光をあてたい。年の差姉妹(8歳)の育児に奮闘中。

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