朝ドラ『おむすび』出演。令和ギャル・みりちゃむが語る「60%で頑張る」仕事論。中学で病気やいじめも経験。

2025年2月6日

スタジオパーソルが運営するYouTubeでは、さまざまなはたらく人の履歴書から「私らしいはたらき方」について深掘りインタビューを行っています。

今回は、2024年9月より放送がスタートしたNHK連続テレビ小説『おむすび』で真島瑠梨(ルーリー)役として注目を集め、モデル、タレントとして活躍の場を広げているみりちゃむさんにお話を伺いました。

ギャル雑誌『egg』の専属モデルや、YouTubeチャンネル『佐久間宣行のNOBROCK TV』の口喧嘩企画など、メディアで目にする明るい個性とは裏腹に、病気やいじめに苦しんだ過去も。そんなみりちゃむさんが語る「私らしいはたらき方」とは――?

※本記事はYouTube『スタジオパーソル』の動画一部を抜粋・編集してお届けします

病気といじめに直面した中学生みりちゃむ。「ギャルマインド」の原点とは?

“口喧嘩最強ギャル”として知られるみりちゃむさん。そのギャル気質のルーツは幼少期にまでさかのぼります。

「父親がもともとアパレル業界ではたらいていたので、小さいころからかわいい服を着せてもらっていました。母親も元ギャルだったので、自然と私のファッションの好みもギャル系になっていきました。ギャルの感性が自然と育っていったんです」

中学1年生の時、みりちゃむさんは起立性調節障害を発症。低血圧で朝起きられない、立ちくらみがする、運動ができないなど、さまざまな症状に悩まされました。周囲からは単なる怠け病と誤解されることも多く、つらい日々を過ごします。

学校に通えない状況が続き、家で過ごす時間が増えたみりちゃむさん。何気なく眺めていたSNSで雑誌のオーディション広告が目に留まり、芸能界への入り口を見つけます。そして、母親からの「やっちゃえば?」の一言に背中を押され、興味本位で応募してみることに。

しかし、オーディションを受けていることが中学校のクラスメートに知られ、新たな問題が発生。それまでクラスの中心的なグループと仲良く過ごしていたみりちゃむさんでしたが、このことをきっかけにグループからいじめられるようになったのです。

またもつらい日々が訪れますが、みりちゃむさんはめげません。「無理して学校に行かなくてもいい」「自分が悪いと思わなくてもいい」という母親の言葉にも支えられていました。

「『社会の中の普通』と『自分にとっての普通』は違う。だから私は仲間外れにされても『もう知ーらね』と、一匹狼でやっていくことにしました。だって、どうでもいい奴に割く時間って無駄じゃないですか」

この時期の経験が、みりちゃむさんの「頑張りすぎない」生き方の原点となっています。

14歳で芸能界入り。「ギャルの絆」に支えられたeggモデル時代

オーディションの結果、14歳で芸能界入りを果たしたみりちゃむさん。芸能事務所に所属後すぐに、アイドルと女性ティーン向けのファッション雑誌『Popteen』の読者モデルとしての活動が始まりました。「シンプルに合わなかった」と語るアイドル活動は長く続かなかったものの、高校入学と同時に新たな転機が訪れます。ギャルに人気のファッション誌『egg』専属モデルの話が舞い込んできたのです。

「業界に入った時からずっと専属モデルをやりたかったので、めちゃめちゃ嬉しかったですね」

念願のeggモデルとしての活動を始めたみりちゃむさんは、自分らしいはたらき方を模索します。髪色は先輩と被らないよう気を配り、当時誰も挑戦していなかったピンクに。

また、「ギャルの中にもかっこいい系、かわいい系、白ギャルとか姫ギャルとか、いろいろある」と話すように、一つのイメージに固執せず、さまざまなスタイルに挑戦したと言います。多方面から仕事を獲得できる、唯一の存在を目指していきました。

しかし、一見華やかに見えるモデルの世界の裏側には、厳しい現実が待っていたのです。

「雑誌モデルの仕事って、それだけだとマジで食べていけないんですよ。時給制で、普通にバイトしてる子たちよりも給料は少ないし。最初は交通費ですら親に出してもらいながら活動していました」

そんな中で支えになったのが、ギャル特有の強い絆だったそうです。

「困っている後輩から連絡が来たらすぐに飛んでいきますし、私が落ち込んでいるときには旅行に連れて行ってくれる先輩たちもいました。そういった助け合いのつながりがギャルの世界にはありますね」

仕事は「60%」くらいがちょうどいい

2021年、みりちゃむさんの転機となる出演依頼が事務所に届きます。YouTubeチャンネル『佐久間信行のNOBROCK TV』で「プロデューサーの佐久間さんと口喧嘩をする」という企画でした。

「口喧嘩するって何?みたいな。当時は佐久間さんのことも知らないし、訳もわからずおじさんと口喧嘩だけして帰りました(笑)」

その後、同チャンネルでの口喧嘩企画は大きな反響を呼び、次第にみりちゃむさんのテレビ出演の機会も増えていきます。その一つが、人気バラエティ番組『ロンドンハーツ』でした。「『NOBROCK TV』のおかげで呼んでいただいているんだから、ここで頑張らなきゃ」と強い想いを持って撮影に挑んだそうですが……。

「何もできなさすぎて、悔しくて……。帰りのロケバスの中で泣きながら帰りました」

番組内で思うようなパフォーマンスができず、悔しさを感じた収録。しかし、この経験はみりちゃむさんに大きな気付きをもたらします。

「100%で挑戦して、それが失敗したときのダメージって、すごく疲れるんですよね。だから最近は60%くらいの気持ちでやることにしたんです。そうすると、うまくいけばラッキーだし、ダメでも『まあ仕方ない』と受け止められるんです」

60%で仕事に挑むその姿勢は、2024年度後期のNHK連続テレビ小説『おむすび』出演という新しい挑戦にも活きていると言います。「そもそも演技経験ゼロのただのギャル」と自分の立ち位置を素直に認め、「結果なんて知ーらね。とにかく今できることを頑張ろ」と開き直ることで、かえって伸び伸びと演技に取り組めたそうです。

セリフを覚えたり早朝からの現場入りをこなしたりと、初めての経験ばかりですが、みりちゃむさんは「行っちゃえば楽しくやってます」と前向きな姿勢を見せてくれました。力を抜いて臨むことで、むしろ新しい挑戦への扉が開いているようです。

「頑張ることに疲れた」はたらく人たちへ

みりちゃむさんは、はたらく人たちへ等身大のメッセージを投げかけます。

「マジで頑張りすぎないって大事だよ。頑張りすぎると、結局自分が壊れちゃう。だから期待に応えようとしすぎるのは違うと思っていて。やらなきゃいけないことはもちろんやる。でもそれ以上に頑張りすぎないことが、実は一番大事なんだと気付きました」

「デカすぎる目標を立てると、やる気がなくなるんですよね。だから私は、あとちょっとで手の届きそうな目標を立てています。そこをクリアできたら、また次の手の届きそうなところ、という感じで更新していく。先のことを考えてもわかんないじゃないですか。未来なんてどうなるかわからないし。だから私は、今できることに集中するようにしています」

※今回お伝えし切れなかったフルバージョンの動画はYouTube『スタジオパーソル』にて公開中

(文:間宮まさかず 編集:おのまり )

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ライター/作家間宮まさかず
1986年生まれ、2児の父、京都在住のライター・作家。同志社大学文学部卒。家族時間を大切にするため、脱サラしてフリーランスになる。最近の趣味は朝抹茶、娘とXGの推し活、息子と銭湯めぐり。
著書/しあわせな家族時間のための「親子の書く習慣」(Kindle新着24部門1位)

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