すっぴんメイク動画がTikTok1800万回再生、SNSも独立を後押し。森香澄さん&佐久間宣行さんの“はたらく”トーク

2024年1月23日

スタジオパーソルは、はたらく人の“モヤモヤ”が解決するヒントを届けしたいという想いから、2023年12月19日に「グッバイもやもや!佐久間宣行と“はたらく”トーク」の第5回配信を行いました。

テレビプロデューサーの佐久間宣行さんと“はたらく”を語りまくる本イベント。今回は特別ゲストとして、森香澄さんをお迎えしました。

森さんはテレビ東京でアナウンサーとして活躍。2023年3月に同社を退社しプロダクション「seju」に所属してからは、アナウンス業のみならず、モデルやバラエティなど多岐に渡り活動の幅を広げています。今回のイベントでは、これまでのキャリアにおける“決断”や、フリーに転身して感じる森さんの仕事観について、佐久間さんとトークを繰り広げました。

※一部を抜粋・編集してお届けします。

新卒でテレビ東京に入社してアナウンサーになった森さん。華々しいキャリアスタートに思えますが、学生時代に挫折を経験したと言います。

「大学1年生から4年生までアナウンサー事務所に所属してオーディションを受けていたんですが、全部落ちてしまって『これはフリーじゃ活躍できないな。安定した会社員の道を選ぼう』と思って、テレビ東京に入社しました。
初めて出演したのは夕方の生活情報番組『よじごじDays』です。緊張しすぎて手がガタガタ震えて、食レポしなきゃいけないサラダが一口も食べられませんでした(笑)でも、スタジオでVTRを見た薬丸さんが爆笑してくださって、薬丸さんが出演する日は呼んでもらえるようになりました」

アナウンサーは意外と地味な仕事が多いそう。「大半の時間は資料をコピーしている」という佐久間さんの言葉に、大きく頷きます。

「テレビに映らない地味な作業がすごく多いです。たとえばスポーツ選手にインタビューする場合、膨大な資料を全部コピーしたり、自分で文字起こしして印刷したりします。自分でやらないと情報が頭に入らなくて、いざインタビューする時に質問が出てこないんですよね」

当然、興味関心がある番組ばかり担当できるわけではありません。森さんが戸惑ったのは、競馬番組でのアナウンサー業でした。

「競馬のことを全く知らず、馬に興味を持つのも難しくて。いろいろ調べて模索した結果、ジョッキーなら感情移入できると思ったんですね。それからジョッキーにたくさん話を聞いて『この人はこういう思いでこの馬に乗ってるんだ。だから勝って嬉し泣きしてるんだ』と共感できるようになったんです。自分が共感できるポイントを探していくと、どんな仕事も楽しめるようになりますね」

佐久間さんも、AD時代は仕事を楽しむための工夫が必要だったと語ります。

「ADの仕事って主に雑用だから、自分の仕事がクリエイティブに繋がってると思えなかったんだよね。でも、自分で決めた仕事ができるようになると楽しくなってくる。同じ忙しいでも、自分が決めた仕事による忙しさと、上司からの指示による忙しさじゃ楽しさが全然違うから、雑用を引き受けてでも早い段階で決定権を持てるようにステップアップするのが大事だと思うね」

そして、多くのフォロワーに支持され、モデルやバラエティタレントとしても活躍の幅を広げている森さんは、テレビ東京のアナウンサー時代からSNSでの発信を地道に続けていました。
制約が多いテレビ局のアナウンサーながら、自分のキャラクターを模索していたそうです。

「SNSで発信するには番宣という名目が必要だったのですが、テキストだけ番宣にして、写真は番組と関係ない自撮りを投稿していました。角度違いで自分の写真を2枚以上投稿していたのは、どちらかの写真を気に入ってほしかったから。テレビ東京は本当にいい会社で、退職後も個人のSNSアカウントはそのまま引き継げたので、大事な財産になりました」

森さんはTikTokで動画も多く投稿しています。なんと大先輩がいるアナウンス部でダンス動画を撮っていたそうで、佐久間さんは「強心臓だなあ」と笑います。
SNSの活用は今後のキャリアを見据えてのことでした。

「モデル業や女優業など会社員のままじゃ挑戦できない仕事にも挑戦してみたいという思いはありました。
あと、アナウンサーの仕事ってタイミングや運の影響も大きくて、努力だけじゃやりたい番組を担当できないことも多いんですよね。それを悩んでいてもしょうがないから、自分の努力がそのまま生きることをやろうと思って、SNSにも注力していました」

最初は「これって仕事に関係ないよね?」と指摘されることもあったそうですが、森さんは「番組の衣装を着ています!この衣装が見たい人はテレビを見ます!」と切り返し、なんとかSNSを継続できるように意志を貫きました。
森さんが日々SNSを活用するなかで模索していたのは、自分に合ったキャラクターです。

「『自分のキャラを見つけろ』って言われて、いろんなキャラを試したんです。ものまねキャラでクレヨンしんちゃんのまねをしてみたり、全力キャラでアイドルのダンスを本気で踊ったり、真面目な報道アナウンサーらしくしてみたり……でも、迷いがあったからあまりうまくいきませんでした。
唯一うまくいったのが、アイドルのダンスを歌って踊った動画です。バズってから歌って踊る配信を細々と続けていたら「ブリブリした踊りがあざとい」って話題になって、ようやくSNSであざといキャラが受けるようになり、自分らしいキャラが見つかりました」

バズるたびに自分のニーズを分析し、SNSマーケティングを繰り返してたどりついたあざといキャラは、もともと森さんが持っていた素の要素でもありました。あえて盛れた写真をアップし続けていたら、バズる回数が増え、テレビ番組からのオファーが増えたそうです。
佐久間さんは「周囲の反対にも折れずに行動し続けると、本流になっていくんだね」と頷きます。

「フリーになる決意の後押しになったのもSNSです。TikTokですっぴんからメイクする動画が1800万回再生されて、興味を持ってくださる方がいるんだと思えました。」

後半は、過去の配信でも好評を呼んだ“はたらく”に関する質問・相談コーナーへ。

森さんがフリーになってから悩んでいるのは、エピソードトークの更新。バラエティ番組に出るたびに「まだ話していないエピソードをお願いします」と言われるものの、仕事に追われる日々で新しいネタがなく、言葉に詰まるそうです。

その悩みに対する佐久間さんのアドバイスは「何が起きたかではなく、自分がどう思ったかを話す」というものでした。

「初めからエピソードを作ろうと思ってもうまくいかないよね。『大したことが起きなかったとしても、そこで自分がどう思ったかを話せればいい』ってオードリーの若林くんに聞いたんだよ。コロナで自粛生活になった頃、新しいエピソードは何もなかったけど、自分が何を思っているかをラジオで話した。
エピソードは感情から生まれるんだよね。旅行で何をしたかより、なんで旅行しようと思ったかのほうがおもしろいこともある。これに対して私はこう思うって感情を話せたらいいと思うよ」

このほかにも、
・仕事とプライベートの付き合いを両立する方法
・同期や後輩に認められるコミュニケーション
・新社会人が心がけるべきこと
・個人事業主が何十年も生き残るには
に関する質問・相談や、「職場のルール・風習」の投稿について紹介しました。

また、今回お答えしきれなかった質問・相談の中から4つをピックアップし、佐久間さんにお答えいただきました。その内容は、後日、連載企画「もやもや お仕事ポスト」にてご紹介します。

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