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一人前になれない僕に「はたらく意味」を与えてくれた先輩の話
スタジオパーソル編集部が、世に発信されているさまざまな個人のはたらき方ストーリーの中から、気になる記事をピックアップ。
今回は、はたらくことの喜びや、はたらくなかで笑顔になれたエピソードについて語る「#はたらいて笑顔になれた瞬間」投稿コンテストで入賞した記事をご紹介します。
社会人5年目を迎える「よさく」さんは、後輩から質問されたり相談されたりするようになり、自分が新人時代に支えてくれた先輩のことをよく思い出すそうです。いつも思い返す2人の先輩は、よさくさんにはたらく意味を与えてくれる存在でした。そんな先輩たちとの忘れられないエピソードをnoteに投稿しました。
忘れられない二人の先輩
社会人になって研修期間を終え独り立ちする時、だれしも責任感と不安でドキドキするのではないでしょうか。ただ、本当に独り立ちするのはもっと先の話で、しばらくは先輩のサポートを受けながら少しずつ自立していく人がほとんどです。
よさくさんも同じように、営業デビューしてしばらくは2人の先輩に支えられていました。
初めて担当企業を持ったのは、社会人2年目になった時。
「早く一人前になりたい」と仕事に打ち込むようになりましたが、鬼のように厳しい上司に変わり、日々容赦なく叱られていました。
担当企業からもひっきりなしに質問の電話が鳴り、山のようなタスクとプレッシャーに押し潰されそうでした。
そんなよさくさんを手厚くサポートしてくれたのが、7歳くらい年上の女性・花森さんです。
豊かな自然のような優しさがあって、何でも受け止めてくれた。花森さんがどんなに忙しくても、ぼくが相談をしたときには、キチンとイスをこちらに向け、じっくりと話を聞いてくれた。いつだって、ぼくの味方をしてくれた。
仕事のためにチームでいたんじゃなくて、チームでいるために仕事をしていたより
よさくさんが帰りたくても帰れず、泣きそうな顔で22時過ぎまで作業をしていた日も、花森さんは自らよさくさんの仕事を手伝ってくれました。
「私たちチームなんだから、もっと頼ってよ!私がピンチのときは、たっぷりよさく君に助けてもらうけどね!」
仕事のためにチームでいたんじゃなくて、チームでいるために仕事をしていたより
そう言ってパソコンに向き直る花森さんのまっすぐな優しさは、よさくさんの胸に留まり続けました。
もう一人の忘れられない先輩は、15歳くらい年上の海堂さんです。二児のパパでとてもおおらかな人でした。よさくさんの指導員役だったものの、相談したことのほとんどは分からなかったそう。
むしろ、海堂さんは「それ、俺も知りたかったわ。調べてもらって、俺に教えてもらってもいい?」と言って「海堂さん!よさく君にちゃんと教育してあげてください!」と花森さんにツッコまれていた。
仕事のためにチームでいたんじゃなくて、チームでいるために仕事をしていたより
それでも余裕があり、何かにつけ冗談っぽく褒めてくれました。
まだまだ新人で会議の下準備などに奔走するよさくさんに
「あのさぁ、今日の会議、よさくが一番輝いてたよ。」
仕事のためにチームでいたんじゃなくて、チームでいるために仕事をしていたより
「いやぁー、実際、今日はよさく次第だわ。」
といった大仰な言葉をぽんと投げかけ、よさくさんは
何が。何がぼく次第なんですか。意味がないようだけど、なぜか褒められた気がして、ぼくは海堂さんの一言一言に惹きつけられていた。
仕事のためにチームでいたんじゃなくて、チームでいるために仕事をしていたより
とうれしく感じていたそうです。
海堂さんは、実はよく見てくれていて、小さな活躍をだれよりも認めてくれていたのかもしれません。
チームのために仕事があったって、いい。
よさくさんのチームは、よさくさん、花森さん、海堂さんの3人。
花森さんも海堂さんもとても大切な先輩で、自分の隣に二人がいたからつらいことも乗り越えられました。
よさくさんは「僕は今、誰のために働いているのか」を自問自答し、気づいたことがあります。
顧客や取引先のためなんだろうか。そうじゃない。花森さんと海堂さんの力になりたい。2人の笑顔が見たい。チームであり続けたい。それがぼくの原動力だ。
仕事のためにチームでいたんじゃなくて、チームでいるために仕事をしていたより
営業はお客さまのために奔走する仕事で、会社の売り上げの源になっているのもお客さまで、これらを考えれば「顧客や取引先のためにはたらいている」とするのが自然なことかもしれません。
でも、よさくさんにとって何よりもはたらくモチベーションになっているのは、自分を支えてくれるチームメイトである花森さんと海堂さんでした。
二人が心からよさくさんを大切にしてくれるから、よさくさんも「2人の笑顔が見たい」という一心ではたらけるのです。
仕事をするためにチームを組まされたのは事実だ。けれど、そのチームが、ぼくに働く意味を与えている。このチームだから、ぼくは仕事ができるんだ。目的と手段が入れ替っているのに、なぜか心地よい。
仕事のためにチームでいたんじゃなくて、チームでいるために仕事をしていたより
仕事するためにチームがあったのに、チームでいるために仕事している。
そんな逆転現象が起きてしまっても、それがはたらくモチベーションになっているのであれば、本末転倒にはなりません。
むしろ、一番身近なチームを大切に思えることは何よりも強いはたらく意味になるのかもしれません。
はたらく意味は、近くにいる人を幸せにすること
ぼくにとって、働く意味を感じる瞬間は、共に戦う人たちが笑顔になっているとき。
仕事のためにチームでいたんじゃなくて、チームでいるために仕事をしていたより
そう語るよさくさんは、後輩とはたらいている時に花森さんや海堂さんの顔が過ぎり、
一番そばで苦労と達成感を共に味わっている人たちの、力になりたい。その人たちの役に立ちたい。その瞬間のために、働いているのかもしれない。
仕事のためにチームでいたんじゃなくて、チームでいるために仕事をしていたより
と思い、胸に刻んでいるそうです。
今は花森さんも海堂さんも遠く離れた地に異動してしまい、よさくさんのはたらく意味は身近にはありません。
それでも後輩に話しかけられると、花森さんのように優しく包み込みたい、海堂さんのように適当に褒めてあげたい、という気持ちになるそうです。
物理的に近くにいなくても、よさくさんの心にはいつも大切な二人がいて、追いかけたくなる背中を見せてくれているのでしょう。
よさくさんが「近くにいる人を幸せにする」という姿勢を持つ花森さんや海堂さんから受け取ったのは、単なる仕事のサポートではありません。
二人は、メンバーを思いやるやさしさを惜しみなく与えてくれました。
もう近くにはいなくても、花森さんや海堂さんを思い出すと笑顔になれるそうです。
あなたたちみたいに、近くにいる人を幸せにできるように。そうして、チームが働く意味を持たせられるように。
仕事のためにチームでいたんじゃなくて、チームでいるために仕事をしていたより
それがよさくさんのはたらく意味です。
仕事の内容そのものに向き合うのも大事ですが、周りの人を支えたり支えらえたりすることが、実は一番のはたらく活力になるのかもしれません。
よさく 心の中で会話しちゃう系男子。社会人5年目。くすりとするか、ほっこりするか、じっくり考えちゃう文章を書きたい。ラッコとチューリップが好き。 |
(文:秋カヲリ)
パーソルグループ×note 「#はたらいて笑顔になれた瞬間」投稿コンテスト
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