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最高月収1,200万円。着うた® 200万DL「ぽぽぽ」の鼠先輩が17年も仕事を切らさない理由
スタジオパーソルでは「はたらくを、もっと自分らしく。」をモットーに、さまざまなコンテンツをお届けしています。
ぽっぽ、ぽぽぽ――。ユニークな歌詞とムード歌謡が混ざり合う独自の世界観で、2008年に一世を風靡した『六本木~GIROPPON~』。その歌い手であり、「一発屋」として知られる鼠先輩さんは、着うた® 200万ダウンロード、最高月収1,200万円を記録したこともあります。
そんな鼠先輩さんですが、一発を当てただけで終わったわけではありません。なんと17年経った今も、鼠先輩さんのお仕事だけで家族4人を養っていると言います。
どんな時代でも求められ続ける鼠先輩さんは、これまで何を大切にしてきたのか。末長く活躍し続けるための「はたらく」秘訣に迫ります。
一発屋と言われた男。今も「ぽぽぽ」やイベント企画で一家を支える

──「ぽぽぽ」で一世を風靡した鼠先輩さん。現在はどんなお仕事をされているのでしょうか。
今やっているのは、営業の仕事や、イベントの企画・進行・キャスティングなどですね。クライアントは、リピーターの方が半分以上です。おかげさまで今も家族4人を養えるくらいには仕事があります。
──イベントの企画やキャスティングでは、どんなことをされているのですか?
たとえばこの間は、ある企業の周年イベントを担当したのですが、8カ月くらいかけてほぼ毎週リモートで打ち合わせを重ねました。一緒にイベントの内容を決めたり、ぼく自身が実際にキャスティングも行ったりして。当日は司会もしたし、ものづくりが好きなので、オープニングの映像もぼくがつくりました。終わったときは、本当に達成感がありましたね。
イベントの内容を決めるときはいつも、クライアントさんの意向をできるだけ正確に汲み取るようにしています。同時に、ぼくは芸能界でも営業でもいろんなイベントを見てきているので、汲み取るだけでなく、「こうしたほうがいいですよ」「このくらいの金額なら、こういうことができますよ」と現実的な提案もできるんです。
キャスティングでは、芸能界でのつながりがあるので「鼠先輩の紹介なら安く行きますよ」とタレントさんが言ってくださることもあります。
──ほかの記事で、「一発屋になっても調子に乗らなければずっと食っていける」とおっしゃっていましたが、『六本木〜GIROOPPON〜』で2008年にブレイクした当時はどんな心境だったのか教えてください。
36歳でブレイクしたので、わりと世の中の動きや仕組みに関しては、どこか冷めて見ているところがあったんです。
それに、今はもっと年齢を重ねて、どうしても先のことを考えてしまう。なかなか先の見えないものに全力で突っ込んでいけない性格になってしまっています。
でも、若いときはあれこれ考えすぎず、夢や野望があるなら全力で突き進んでみたほうがキャリアの糧になるはず。ぼくにも、そういう時期がありました。
──鼠先輩さんは10〜20代のころ、音楽に打ち込んでいたそうですね。
そうですね。岡山の田舎で中学時代をすごしたのですが、そのころはいわゆる不良ブームで。周りの友達は暴走族になるか、バンドをするかのどちらかでした。そんな中で、ぼくはバイクのうるさい音よりも、バンドの音のほうがかっこよく聞こえて。音楽も好きだったので、バンドに没頭しました。
バンドを組んでからは、人に聴かせるならば「聴いて面白い」「楽しい」「歌いやすい」「覚えやすい」ことを意識していましたね。高校2年生のときには、NHK主催のアマチュアバンド大会である『BSヤングバトル』の岡山大会で優勝もしました。
今思うと、優勝できたのは多分岡山で若くて熱心に音楽活動をしている人が少なくて、ぼくたちがエネルギッシュだったことが大きな理由だったのだろうと思います。でも当時は、「もしかしたら音楽の道に進めるのかもしれない」と勘違いしてしまって(笑)。
同じ時期に、高校も退学してしまいました。
──音楽に専念するために、学校を退学したのでしょうか。
音楽のこともありますし、当時はやんちゃをして謹慎処分を受けたり、勉強が本当に苦手で高校2年生の2学期くらいには留年が決まっていたりして。退学を決めました。
学生時代、学校という環境は自分にはあまり合いませんでした。ただ、人より早くアルバイトなどをしてはたらき始めていたので、社会経験は多く積むことができましたね。
──どんなアルバイトをされていたんですか?
高校生のときには、お寿司屋さんでアルバイトをしていました。14歳上の当時の店長とは今でも仲良くしていて、年に数回は連絡を取り合って飲みに行きます。あまり頑張らなくても人と仲良くなれるタイプで、コミュニケーションをとって信頼関係を築くことは昔から得意だったのかもしれません。
そして、そのアルバイト先のお寿司屋さんで出会った先輩に誘われて、20歳のころにはバックパッカーとしてアメリカ・ニューヨークへ旅に出ました。音楽の勉強をする、という名目でね。
──勉強をするために世界へ行くほど、音楽への想いが大きかったんですね。

いや。今思えば、現実から逃げていた部分が大きいと思います。日本の仕組みや常識、「なぜはたらかなきゃいけないのか」という考えるべきことから逃げたくて。音楽に対する想いは本気でしたが、「自分には才能がないかもしれない」とも薄々気付いていたんです。
そうして30歳までは、旅をしてお金がなくなったら日本に帰ってきてはたらき、また旅にでる、というのを繰り返しました。
どこまで行っても人間関係。楽しく仕事をすれば、人を大切にできる

──そこから、「ぽぽぽ」の独特な歌詞で大ヒットを記録した『六本木〜GIROPPON〜』の曲が生まれるまでの経緯を教えてください。
当時からお付き合いをしていた妻と、「夢を追うのは30歳まで」という約束をしていたんです。妻はずっと子どもがほしいと言っていたので、ぼくも区切りをつけたほうがいいと思って。
結局、30歳になっても音楽では芽が出なかったので、バンドを辞めて映像制作会社に就職しました。
そこで、音楽好きな社長とお遊びのように音楽をやっていたら、たまたま会社のパーティーで音楽関係者の目にとまり、曲を出すことに。その出会いが『六本木〜GIROPPON〜』につながっていったんです。
──『六本木〜GIROOPPON〜』で一世を風靡してから現在までご活躍されている鼠先輩さん。仕事をする上で、特にどんなことに気を付けているのでしょうか。
お仕事のお相手に対して、心地良いコミュニケーションをとることです。ツンツンしない。偉そうにしない。基本的にニコニコして、人の話をよく聞いて、相手の意見を尊重する。持って生まれた部分もあるかもしれませんが、意識すれば誰でもある程度できることだと思っています。
──コミュニケーションをとることがあまり得意ではない場合、どんなことから始めるのがおすすめですか?
努めて自分から話しかけてみること。相手の目を見て話すこと。きちんとあいさつをすること。まずはそのあたりからでしょうか。
正直、多くの人は少なからず人見知りですし、「人付き合いは面倒くさい」と思う人も多いでしょう。それでも、どこまで行っても人間関係の中でしか仕事はできない。よっぽどの天才でもない限り、一人きりで完結する仕事はほとんどないと思います。
どんな仕事でも人を大事にしなきゃいけないし、人を大事にすれば、自分も大事にしてもらえる可能性が高くなります。もちろん、見返りを期待しすぎてはいけませんが。
──人間関係以外で、仕事で気を付けていることはありますか?
お金をかけない方法で、必ず何か一つプラスアルファをして喜んでもらえるようにしています。お金をかけてプラスアルファができるのは当たり前ですし、予算をかけずに喜んでもらわないと意味がないですよね。
たとえば料理人さんであれば、料理をただ出すだけでなく、笑顔や一言を添えるとか。ぼくの場合は、ちびっ子がいる会場なら、サインをなん枚か書いて持って行って、その場でじゃんけん大会をして配ったりします。
「落書き帳に使ってください」「寒い季節なので鍋敷きにしてもいいですよ」とか、ちょっとした笑いも込めて。そういう小さな工夫を、現場ごとに変えながら毎回考えるようにしていますね。
あと、基本的に仕事は「自分の好きなこと」を「好きな人」とするようにしています。
──好きなことを、好きな人とする。それはなぜでしょう?
ぼくは昔から、もっとみんな楽しんで仕事をするべきだと思っていたんです。
日本でも最近ようやく子育てやはたらき方に関しての制度も整ってきましたが、南米なんかを旅していると、昼間からお酒を飲んでゲームをしているおじさんがたくさんいます。ヨーロッパでも、仕事より家族や恋人との時間を大事にするのが当たり前、という国も多い。それを目の前でたくさん見てきて、価値観が変わりましたね。
それに、結局、自分がやってきたことは形になって返ってくるんですよ。好きなことや楽しいことをしていると幸せだから、周りの人も大切にできる。その結果、自分の好きなもの、合う人たちばかりが自然と集まってくる。
逆に、嫌なことばかりやって文句ばかり言っていると、同じような人が集まってきてしまう。ぼく自身、仕事がない時期にそういう経験をしたことがあって。それからは特に、なるべく苦手な人とは会わないようにしていますね。
「何者かになるべき?」キャリアに迷う人へ。鼠先輩が伝えたいこと
──現在されている営業やイベントの裏方の仕事は、一発当てて成果を出すというものではなく、日々の積み重ねが大切で、分かりやすい結果が出にくいものだと思います。一方で、今の若い世代はSNSの影響もあって「目に見える結果」や「成功している姿」を求めてしまい、不安や焦りを抱えることも多いと思います。そんな方へ、鼠先輩ならなんと言葉をかけますか?
「人と比べないこと」。ここがすべてのスタートだということです。
人と比べはじめると、際限なく自分の力不足ばかりが目についてしまう。それよりも、自分の能力、自分のスキル、自分のできること、やりたいこと、やるべきことを、一度じっくり考えてみてほしい。その中から「これだ」と思ったものを一つ選んで、他人ではなく自分だけに向き合って、とにかくやってみることです。

「何者かになりたい」「有名になりたい」と思うなら、一度死ぬ気で努力すればいい。失敗することもあるし、思わぬ形で成功することもある。結果が思うようにならなければ、また別の入口を探せばいいだけです。
そして、一喜一憂しないこと。何もしなくても、たまたまのきっかけや運で、いいことも悪いことも起きるのが人生。うまくいく時期もあれば、うまくいかない時期もある。だから、小さなことで慌てずに、地に足をつけて、コツコツ努力していくべきだと思います。
迷うのは若い人だけではありません。大谷翔平さんだって、どんな国の総理大臣だって、迷いはあるはず。完成された人なんてどこにもいないし、絶対の正解もない。みんな迷いながら、そのときどきでより良い答えを一つずつ選んでいるだけです。その繰り返しですよ。
その中で生きてくるのが、積み重ねてきた人との関係や、自分のスキルです。悩んでも迷っても、結局出会った人や自分の持っている力を大事にして、その場その場で最善の選択をして生きていくしかないんですよ。
──最後に、スタジオパーソルの読者である「はたらく」にモヤモヤを抱える若者へ、「はたらく」をもっと自分らしく、楽しくするために、アドバイスをいただけますか?
はたらくとき、相手になるのはいつだって「人」です。どんな仕事も、人に喜んでもらうから対価としてお金が生まれ、人に頼られ、人に助けてもらえる。仕事は結局、すべて人との関係の上に成り立っています。
だから、人を大切にしてほしい。そしてそのためには、まず自分の心と体を大切にしてほしいですね。健康。もう、本当にこれ以外ないですよ!
心と体が整っていないと、人に優しくすることもできない。それに、誰だって明るい人と仕事したいでしょう?
若いうちから、心も体もケアする習慣を持ってください。それが、自分らしく楽しくはたらく上での一番の土台になると思います。
「スタジオパーソル」編集部/文:朝川真帆 編集:いしかわゆき、おのまり 写真:朝川真帆
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