『キッズ・ウォー』双子俳優・斉藤慶太、32歳で壁紙職人に「顔隠して解体工事のバイトしてました」

2026年5月19日

はたらく情報メディア『スタジオパーソル』が運営するYouTubeでは、仕事終わりの晩酌まで1日密着し、はたらく本音を深掘りする番組をお届けしています。

今回密着したのは、俳優の斉藤慶太(以下、慶太)さん。テレビドラマ『キッズ・ウォー~ざけんなよ~』シリーズや情報バラエティ番組『王様のブランチ』のレギュラーとして活躍したのち、現在は内装職人として独立し、日々現場に立ちつづけています。

テレビ出演の仕事が少なくなっていった過去、複数の仕事を転々とした日々、そして“元芸能人という呪縛”から解放された転機について語っていただいた今回のインタビュー。慶太さんが歩んできた道のりには、はたらくことに迷うすべての人へのヒントがつまっていました。

※本記事はYouTube『スタジオパーソル』の動画を一部抜粋・編集してお届けします

内装職人・斉藤慶太さんの現在地

慶太さんの現在の職は、壁紙(クロス)の張り替えや床材の施工など、室内の内装全般です。3年間の修業を積み、独立して約5年。段取りから施工まですべてを1人でこなしており、ときには、子どもたちが寝静まった深夜に自宅で黙々とクロスの糊付けをすることもあるといいます。

施工中、慶太さんが最も神経を研ぎ澄ませるのが下地処理(パテ埋め)の工程です。

「古い壁紙を剥がしたあとにできる下地の隙間や、1ミリ以下のごくわずかな段差をパテで埋めて、いかに平らにできるかが仕上がりに影響するんです。ヘラを立てる角度、寝かせる角度、押しあてる力加減によっても変わってくる。ここをていねいにやらないとクロスもきれいに貼れません。本当に難しい作業です」

細かな工程を一つひとつ積み上げ、作業が完了した部屋を見渡したとき、慶太さんの表情はほっとほぐれます。

「壁紙が真っ白になると、本当に気持ちいいですよね。でも、そこに至るまでの『地道な準備』がすべてを決めます。結局、仕上がりがすべてですから」

その言葉には、職人としての確かな誇りが宿っています。

「最近テレビ出てないじゃん」空白のスケジュールと向き合えなかった日々

斉藤慶太さん(右)と、双子の兄・祥太さん(左)

慶太さんが芸能界へ入ったのは、双子の兄・祥太さんがテレビドラマ『キッズ・ウォー』のオーディションに合格したことがきっかけでした。慶太さんはその日、部活動の試合を優先して会場へは行きませんでした。

ドラマが社会現象となり、街を歩けば双子とは知らない周囲の人から、兄の役名である「翼くん」と声をかけられる日々。複雑な気持ちもありましたが、シリーズ第4作で制作人から「慶太くんもどう?」と声がかかり、双子での出演が実現しました。そこから“双子タレント”として注目を集め、情報バラエティ番組『王様のブランチ』のレギュラーを務めるなど、20代前半まで多忙な日々を極めます。

しかし、『王様のブランチ』のレギュラーを卒業してからは、徐々に仕事は減っていったと言います。連続ドラマに出演していたころの忙しさが嘘のように、スケジュールに空白が増えていく。その変化は、本人が一番肌で感じていました。

「仕事がなくて家でだらだらすごしている時間が本当にもったいなくて。でも、どう頑張っていいかも分からない。次の仕事を待ちながら、何もできずに1日が終わっていく感覚が、ずっと嫌でした」

周囲からの「最近テレビ出てないじゃん」という言葉にも傷ついたという慶太さん。当時の心境をこう振り返ります。

「正直、調子に乗っていました。台本を覚えないまま現場に行ったり、遅刻したり。毎日の仕事をただ“こなす”だけになっていた。仕事が減っていったのは、運が悪かったわけじゃない。自分自身の問題だったんです」

解体工事、ペットシッター、インストラクター。「顔を隠してはたらいた」日々を乗り越えるまで

仕事が激減し、「じっとしてはいられない」という想いはありながらも、慶太さんには“元芸能人”という肩書きが重くのしかかります。

「一応、芸能人の端くれだしな……という葛藤があって。最初は、ヘルメットとマスクで顔を隠して、周囲から見えないところで作業する解体工事のアルバイトなどをしていました。『人前に出る仕事はもう自分にはできない』と決めつけていたんです」

その後も、慶太さんはもがくようにさまざまな仕事に挑戦します。動物好きを活かして「愛玩動物飼養管理士」の資格を取得しペットシッターをしたり、水道工事の現場で夜通し水道管を新しくする作業に徹したり。そうしてさまざまな現場を渡り歩く中で、転機となった仕事がフィットネスクラブのインストラクターでした。

「レッスンを受けに来てくれる方たちが、『テレビ見ていましたよ』『今度は何に出るんですか?』と、温かく声をかけてくれたんです。ぼくを楽しみにしてくれている人たちがいた。そのとき、ハッとしたんですよね。隠れる必要なんて、何もないんだなって」

「芸能の仕事をしていたから他の仕事はできない、と自分で勝手に思い込んで壁を作っていただけ。人目を気にして自分を制限していたのは、自分自身だったんです」

この気付きが、慶太さんを“元芸能人”という肩書きの呪縛から解き放ちました。人目が気にならなくなったことで、ようやく「自分が本当に打ち込める道」をフラットに探せるようになったのです。

「この仕事しかできない」とあきらめている人へ

慶太さんにとって内装職人の道へ進む大きな後押しとなったのは、すでに建設業界で電気工事士としてはたらいていた同級生の存在でした。「内装の仕事、手伝いに来る?」という同級生からの誘いを受けた慶太さんに、迷いはありませんでした。

現在の斉藤慶太さんは、内装職人だけでなく、2人の子どもを持つ父親でもあります。かつて自分のプライドを守るために顔を隠してはたらいていた日々を経て、今は「家族を養い、喜んでもらうこと」が、何よりの誇りになりました。

「ぼくにとって、はたらくとは生きることです。はたらくことで家族との暮らしを守ることができるし、喜んでもらえる。それが今は一番のモチベーションです」

かつての芸能界では仕事をおざなりにしていた時期もあったという慶太さん。しかし今は、自分の技術ひとつで、確かな「仕上がり」を届けています。そんな慶太さんに、はたらくことにモヤモヤを抱える若者へのアドバイスを聞きました。

「ぼくもかつては、何を仕事にしていいか分からず、『これは自分にはできない』と勝手に壁を作っていました。でも動いてみると、その壁は外側にあるのではなく、自分が内側で作っていただけだったんです。だから、まずは今いる場所から一歩動いてみてほしい」

「遠回りしているように見えても、身近な人との縁を大切にしていれば、必ず道は開けます。ぼくが今こうして自分らしくいられるのは、あのとき声をかけてくれた兄や、修業させてくれた先輩とのつながりがあったから。誰かとつながり続けることが、いつか思いがけない場所へ連れて行ってくれるはずです」

※今回お伝えしきれなかったフルバージョンの動画はYouTube『スタジオパーソル』にて公開中

(「スタジオパーソル」編集部/文:間宮まさかず 編集:いしかわゆき、おのまり)

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ライター/作家間宮まさかず
1986年生まれ、2児の父、京都在住のライター・作家。同志社大学文学部卒。家族時間を大切にするため、脱サラしてフリーランスになる。最近の趣味は朝抹茶、娘とXGの推し活、息子と銭湯めぐり。
著書/しあわせな家族時間のための「親子の書く習慣」(Kindle新着24部門1位)

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